■グラウンド外の大人の話を視聴者は求めていない

 これまでも、グラウンド外の大人たちの事情が描かれると、視聴者から不満の声が多く出ていた。それなのに最終回でも、甲子園に行くためのお金が足りない問題、翔の祖父・犬塚(小日向文世/69)の目が見えなくなるなど、野球の試合以外のトラブルが描かれそうなのだ。

 視聴者から《もっと球児たちの物語を描いてほしい》と言う声は多い。それを証明するように、南雲の教員免許偽造問題が深刻化したうえ、妻・美香(井川遥/47)が仕事で東京に行ってしまい家族が崩壊しかけた第4話は、8.0%と最低視聴率を記録している。

 一方で、球児たちの人気は回を追うごとに上昇していて、高校球児役オーディションの様子を追い、野球の実技審査や演技の審査など、決定までの約半年間を収めたドキュメンタリー番組の配信『下剋上セレクション』(U-NEXT)も好評。

 また、オリジナルグッズもかなり売れているようで、視聴者から《TBSショップのグッズ、推し球児の壮磨くんと翔くんのアクスタがsold outだった…あと、楡くんもsold outだったよ。sold outはこの3人だけでした》と、 翔役の中沢元紀、壮磨役の小林虎之介(25)、楡役の生田俊平(25)の人気を報告する声も。

 視聴率が伸び悩んでいるのは、せっかく球児人気が盛り上がっているのに、それを活かしきれていないからなのは間違いない。いよいよ決勝戦を迎えるが、なるべく大人たちのノイズは少なめにして、球児たちが活躍する姿をたっぷり見たいものだ。(ドラマライター/ヤマカワ)