「僕にとって勝つことが今、一番大事」
ロサンゼルスの青空の下で12月15日(日本時間)に行なわれた入団会見で、そう述べたのは、ロサンゼルス・ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平選手(29)である。
スポーツ界を揺るがすニュースが飛び込んできたのは、12月12日(日本時間)のこと。2023年シーズンまでロサンゼルス・エンゼルスでプレーしていた大谷選手が、24年シーズンから、ドジャースでプレーすることが決定したのだ。
「同じ、ロサンゼルスを本拠地とするライバルチームへの移籍劇。エンゼルスが万年下位球団なのに対して、ドジャースはポストシーズンの常連チームです。常勝球団への移籍は、日本では大ニュースとして大きな注目を集めました」(スポーツ紙記者)
注目を集めたのにはもう一つ大きな理由がある。
「10年7億ドル(日本円で約1015億円)で大谷選手がドジャースと結んだ長期契約ですよね。これは19年に12年間で4億2000万ドルの金額でエンゼルスと契約合意をした、元同僚のマイク・トラウト(32)を抜きメジャーリーグ最高金額。
プロスポーツ界でもサッカーのリオネル・メッシ(36)やクリスティアーノ・ロナウド(38)を超え、トップのお金を手にする。まさに、破格の長期契約なのです」(前同)
アメリカ全土でニュースチャンネルを展開するCNNやABCニュースも、巨額契約が決まるやインターネット上で速報。大谷選手の移籍劇は、全米が大注目の様相を呈し、大谷狂騒曲が鳴り響いているのかと思いきや……どうやらそうではないらしい。在米の全国紙記者が語る。
「日本と同じようにアメリカ全土で“オオタ二旋風”が起きている――ということはありません。もちろん、名は知られてはいますが、熱狂的なファンが多数いる、という感じではないですね。
というのも、大谷選手との“距離”が遠いんです。アメリカでは日本のように、無料の地上波チャンネルという概念はありません。月に150ドルほど支払って、ケーブルテレビを契約。自分が観たいチャンネルをテレビに登録します。つまりは、よほど野球が好きな人でないと、家庭で野球をテレビ観戦する環境がないのです」