■SNS時代――ロゴやキャラクターなど「わかりやすく自慢できる」ものがウケる
ポケモンが、ゲームボーイ用ソフトとして産声を上げたのは1996年2月27日のこと。今から27年前だ。以来、数多のコラボを重ねてきた。子どもや若年層にも手が出る食品やおもちゃ、雑貨、アパレルなど、数え上げればきりがない。世代も性別も問わないうえ、海外でも愛されてきた。そうした世界中で人気のポケモンが今、「ハイブランド」とコラボする背景には何があるのか。
トレンドアナリストの太田まき子さんは「ポケモン側というよりも、ハイブランド側がコラボしたいのでは」と分析。「ハイブランドも新しいファンを増やすべく試行錯誤している」と言い、昨今の“ロゴブーム”を挙げながら、若年層・新規顧客層へのアピールを解説する。
「バレンシアガやセリーヌなど一度人気に陰りがあったブランドも、ロゴを新ロゴに変更し、さらにそのロゴを全面に押し出すようなデザインにしてから息を吹き返した感があります。今は“パッと見でわかりやすい”ものがSNSでもアピールでき、若い世代にはウケるんですよね。
さらに、ハイブランドに興味がなくはないけど何を買ったらいいかわからない、という潜在的な顧客の開拓を狙ったものが、キャラクターコラボです。ブランドのことを知らなくてもキャラクターを知っていればブランドに興味を持ってもらえますから」(前同)
Number_iのメンバーである平野紫耀(26)も頻繁に着用する、フランスブランドのロエベとジブリが過去3回にわたるコラボを行なっていたり、21年にはイタリアブランドのGUCCIとドラえもんがコラボするなど、ハイブランドと日本のキャラクターとのコラボは、昨今ブームとなっている。
「子どもだけでなく大人もキャラクター好きという時代なうえに、特に海外では日本のキャラクターが“クール”な扱い。しかもややレトロみがあるキャラクターの色合いと世界観が、オーバーサイズや00年代回帰のファッショントレンドとも合っているのかなと思います。
そのなかでも飛び抜けて世界的に人気が高いポケモンとのコラボは、確実に売れる勝算がある。コラボするというだけで話題性があり、広告効果も大きいでしょう」(同)