■転売、窃盗……「レア」を売りにするリスクも
そして、何よりもSNSでウケるのは「レア度」だ。
「ハイブランドがキャラクターとコラボする商品は基本的に限定品で、SNSに上げるネタとしてもレアということが高い価値を持つ。だからSNSを活用する若い世代が、積極的にそうしたコラボ商品を買いますよね。ブランド側もまさにそうした新規顧客開拓、SNSでの波及効果を狙っていることは間違いありません。
また金額設定も、たとえばティファニーとポケモンのコラボなら最低が20万円ぐらいで、絶対買えないほどの額でもない。日常的に出せる金額じゃないけどちゃんと高額というのは、SNSでちょっとしたアピールができる上手な価格ラインだと思います。
最低ラインが何百万円、何千万円だと、多くの人が“他人事”として捉えてしまう。ブランドの認知度は上がっても、新しいお客さんが増える可能性はありませんから」(前出の太田さん)
ただし人気ブランドの商品に高付加価値のレア度が付随すれば、転売組が買取に熱心になってしまうリスクがあるのも事実。
12月10日には東京都豊島区にあるポケモンカード専門店が、転売目的の窃盗にあったばかり。レア度が行き過ぎ、これ以上、転売や強盗沙汰が起きるようだと、限定品は確実に購入する人だけの抽選制……といった日が来てしまうかもしれない。
太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。