■ネックはSTARTO社の戦略

 歌謡曲、ロック、ヒップホップ、EDMなど、音楽のジャンルを横断しつつ、SixTONESのサウンドとして構成された楽曲は評価が高く、海外でも勝負できるクオリティに達しているだろう。本人たちも海外を意識した発言を過去にしているが、仮に海外進出を果たしても、今の状態では難しいかもしれない。

 その理由は新会社「STARTO ENTERTAINMENT」(旧ジャニーズ)の戦略にある。STARTO社は公式サイトで独自の音楽配信サービスを立ち上げることを発表しているのだ。

「Spotify」や「Apple Music」などの既存のサブスク配信なら、多くの人に楽曲を届けることが可能だが、独自サービスでは垣根を越えることは難しい。SixTONESをよく知らない海外の人が、どうやって日本のSTARTOの音楽配信サービスにたどりつくというのだろうか?

 そうなると、SixTONESのハイクオリティな楽曲も、宝の持ち腐れとなる可能性が高い。現段階では、独自の音楽配信サービスが、具体的にどんな形になるかはまだ分かっていないが、国内ファンだけを相手するのではなく、できるだけ、多くの人に届くような形であってほしいものだ。(芸能ライター/坂上五郎)