12月24日にテレビ朝日系で放送され、見事、令和ロマンが第19代目のチャンピオンに輝いたお『M-1グランプリ』。お笑い界の頂点に立つダウンタウン松本人志(60)ほか一流芸人が審査員を務め、数々のスターコンビ、大人気芸人を生み出してきた大会の遥か裏側でひっそりと、しかし確かに、お笑い界に足跡をつけていたお笑いライブがあった――。

 12月9日、東京・浅草の伝統ある「浅草東洋館」で行なわれていたライブショー「Entertainment Festival『ASAKUSA!!』」がそれだ。200席超の浅草東洋館を満員にしたライブショーを企画したのは新進の芸能プロダクション「100company」。同社は海外で活躍する多くの芸人、エンターテイナーとエージェント契約を結んでいる会社だが、「Entertainment Festival『ASAKUSA!!』」にも多数、そうした芸人が出演した。

 世界に向けたYouTubeチャンネル「bicsmalln channel」の登録者は266万人、月に2億再生もするという3人組のビックスモールン、23年、とにかく明るい安村(41)が活躍したゴット・タレントで同じく大活躍する、汗だくで見事なタンバリン芸を繰り出すGONZO(37)、自らの肉体で生み出す音ネタで爆笑を取るコンビ・ゆんぼだんぷ、次々と“顔”を変えるフェイスチェンジ芸のEnishiらがこの日、“世界に向けて”ショーを行なったのだ。

“世界に向けて”というのは、このライブが、日本に来た外国人観光客に向けて作られたものだから。浅草という日本でも有数の観光地で、海外からのインバウンド客に向けてショーを行なう――そうした狙いがあったのだ。実際、この日の客席には、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国など多くの国々から来た観客で埋まっており、日本人客は半数程度だった。

 12月9日、夜7時30分からスタートした「Entertainment Festival『ASAKUSA!!』」はオープニングアクト・ビックスモールンの楽しいアクロバティックショーで幕を開ける。183センチの大きなゴン(48)と、156センチの小さなチロ(46)、そして161センチの中くらいのグリ(32)の3者で行なわれるダイナミックな形態模写芸に東洋館は大盛り上がり。「鳩時計」や「龍」など次々飛び出す彼らの芸に外国人観客も拍手喝采だった。

見事なパフォーマンスを見せてくれたビッグスモールン

 中国、台湾で長年活動し、中国語が堪能なねんど大介(50)と、英語が堪能なポジティブコウタ(37)が司会を務め、まずは、お笑いコンビ・だーりんずの松本りんす(46)の全世界共通の“ハゲネタ”「かつら芸」から本編は始まった。

 ニューヨークのアポロシアターで肉汁を飛ばしたウインナー芸人・スプラッシュ!マヒロが元気よく続き、シュールなコントで人気のマツモトクラブ(47)が全編英語の歌コントを披露する。続くは23年7月放送の『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)で優勝を飾ったハギノリザードマン(39)。机の上で鳴るiPhone、最後の1個になったチキンマックナゲットなど独自の形態模写芸で爆笑をさらう。

 MCも務めたポジティブコウタの出番では彼の実父まで登場し、前半戦のトリ、兄弟コンビ・まんざらでもねぇは涼平(29)と将平(26)兄弟が完璧に息のあったマジック芸を見せつけて、会場には大きな拍手が響き渡った。