■「写りたい」心理につけこむ悪質なナンパも
都内在住の大学生(女性/22歳)は、「ファッションやトレンドの参考にする」と話す。
「たとえば、ファッション誌にはよく“30日着回し”のような企画があります。でも、結局スタイリストさんが組み合わせたものをモデルさんが着ているので、見ていて綺麗だなと思っても、正直自分には参考にならないことも多い。
それがストリートスナップだと、普段、普通の人がリアルな生活で着ているものや持っているものが見られるので、生活にちゃんと落とし込めるんです。わざわざ検索しなくても、TikTokで手軽にいろんな人の姿を見られるのは面白い。友達が撮影されたこともあって、仲間内では話題になりました」
一方で、前出のファッション誌編集者は、警鐘も鳴らす。
「“『ストリートスナップを写してあげる』と言ってナンパをしてくる”といった被害の声を聞くようにもなっています。先にストリートスナップ、と言われるとちょっと話を聞いてみようかな、と少し警戒心が低くなる女性心理を狙ったものですが、悪質ですね」
また、“写されたい”という人がいる一方で、“写してもらった人がSNSで自慢するのが鬱陶しい”というボヤきもあるという。
「自慢の背景にあるのは、人に認めてもらったという嬉しさなんでしょうけど、それをアピールされると面倒だな、という人もいるようです。このあたりは、能動的に手に取らないと情報を知り得ない雑誌と違って、いろんな投稿が受動的に目に入ってしまうSNSの功罪ではありますよね」(前同)
街行く人のリアルな姿が見られると、盛り上がる一方で、迷惑行為を行なう者も出現しはじめた「ストリートスナップ」。撮影する側もされる側も楽しむには節度を守る必要があるようだ。