■ブームの「ストスナ」、もともとはファッション雑誌の文化
もともと「ストリートスナップ」はファッション雑誌から始まった文化だ。パリやロンドンの街角を写した1985年創刊の雑誌『STREET』(ストリート編集室)がその草分け的存在で、『FRUiTS』(同)、『TUNE』(同)などのストリートスナップ誌がリードしてきたほか、これまで数々のファッション誌がストリートスナップ企画を組んできた。
そんなストリートスナップが、TikTokで話題に上がり始めたのは23年に入ってから。前出のアノニマスさんが先駆け的存在で、その後、ストリートスナップ動画を発信するTikTokerたちが続いた。
雑誌での企画とは異なりTikTokでのストリートスナップは、撮影交渉の段階から動画に収められているところがユニークなポイントだ。
「声をかけられた側の反応やポーズを取るところなど、一連のやりとりが動画になるため、より“素”の姿が切り取られることになるのがウケています。
ファッション誌や雑誌でのストリートスナップ企画は、たとえそれが一般人であっても、読者にしてみれば“自分とは関係ない”世界。結局見た目重視で、オシャレでセンスのある人が厳選されているのではという印象を抱く人は多いんです。
それがTikTokだと一気に身近になる。オシャレ度というよりは日常を切り取るというイメージで、自分も写りたいと思う子は増えているといいます」(ファッション誌編集者)