草なぎ剛(49)主演の土曜ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK総合)の後編「もうひとつの家族」が12月23日夜10時から放送される。

 前編の「記憶の中の少女」は16日に放送された。ドラマに登場する20名近いろう者や難聴者の役を、実際にろう・難聴の当事者が演じるという話題作だが、健常者の草なぎも手話通訳士という難役に挑戦し、圧倒的な演技を見せた。

 本作は、丸山正樹氏の同名小説(文藝春秋)が原作の社会派ミステリー。主人公の荒井尚人(草なぎ)は、耳の聞こえない両親の間に生まれた耳の聞こえる子ども・コーダ(CODA)。狭山署に務めていた警察官だったが4年前に辞め、妻とも離婚。現在は警備員のアルバイトをしていて、交際する安斉みゆき(松本若菜/39)との将来のため、手話通訳士の道を選ぶことに。

 元警官だったことを買われ、尚人に法廷通訳の仕事の依頼が入る。被告人は、ろう者である菅原悟朗(那須英彰/56)で、罪状は窃盗未遂だという。そんな中、狭山署の刑事・何森稔(遠藤憲一/62)が訪れ、17年前、尚人が取り調べの手話通訳をした、門奈哲郎を覚えているか尋ねる。それは、尚人にとって決して忘れることのできない、苦い思い出だった。

 何森が捜査しているのは、ろう児施設「海馬の家」の理事長・能美和彦が、背中を刺されて殺された事件。実は、能美和彦の父・隆明も、17年前に刃物で刺殺されており、門奈哲郎がその事件の犯人として、実刑判決を受けて服役していた。尚人は、門奈が今回の事件の重要参考人にされていると知り、独自に門奈について調べ始め……という展開。

 視聴者のX(旧ツイッター)上の反響は、《やっぱり草なぎくんが圧倒的。コーダであり、いくつもの挫折を抱えながら生きてきた男という難役。寡黙でありながら、かげりを帯びた人生の厚みが何気ない表情や所作から伝わってくる。ブギウギの羽鳥先生と同じ人とは思えない》など、草なぎへの称賛の声が相次いでいた。