■シャンパンを断るとホストの態度は一変、突如無言に

 来店するたびに雪だるま式に増えていく店での売掛金。このままではホスト・Aとの関係が切れないと考えたX子さんは、売掛金だけでも返そうと店へと出向く。

「それでも“1杯だけ飲んでいこうよ”と誘われると断れなくて。そのまま店でAと話しているうちに、お会計が10万、20万となってしまい新たな売掛金ができてしまうんです」(前出のX子さん)

 X子さんがAのいる店「Y」に足繁く通っていたのは23年の5月ごろまで。なぜ、不明瞭な会計や高額請求を繰り返すホストクラブへと出入りを繰り返していたのか。

「寂しいという気持ちもあったと思います。自分が入れ込んでいた本命ホストとの関係が上手くいっていない時に話を聞いてほしいとか、優しくして欲しいと思い会っていました。Aと会って3回目にはシャンパンも入れましたよ」(前同)

 すると、Aからある提案がもたらされる。

「お店終わりに会おうと言われて、ホテルの1室で待ちました。そこで関係を持ってからは、離れられなくなってしまいましたね」(同)

 それでも、自分が入れ込む本命ホストとの関係をより親密なものにしたいと考えたX子さんは、Aのいる「Y」に通うのを23年5月に一時的に止めることになる。ただし、本命ホストとの関係が上手くいかなくなった同年11月には、X子の足は自然と「Y」へと向いていた。

「その日も“10万円まで”と予算を伝えていたんです。そしたら、Aが“X子なら大丈夫でしょう”って“シャンパンを入れてよ”って頼んでくる。こちらもお金がないので断ったら急に無言になって、Aはスマホを触り始めたんです」(同)

1本10万円はするホストクラブのシャンパンボトル

 豹変した態度を恐いと感じたX子さんはAに言われるがままに、店のオリジナルシャンパンを注文してしまう。その日の会計額は予算の5倍に当たる50万円となっていた。その日、10万円しか現金を持っていなかったX子には40万円もの売掛金が発生したわけである。