エンタメ情報から独自のインタビュー記事まで、日常のなかで“ピン”とくるちょっと気になるニュースに“ズバ”と切り込む本サイト。今回は2023年に日本野球界をハラスメント問題で騒がせた、山川穂高内野手(32)と安楽智大投手(27)を振り返る。
3月にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が14年ぶり3度目の優勝を果たした際、代表選手の一人だった山川選手。5月になり女性問題が発覚し、所属する西武球団から公式戦無期限出場停止処分を受けていたものの、12月19日、ソフトバンクが西武からFA権を行使した山川選手の獲得を正式発表した。
一方、同僚選手へのパワハラ行為で12月1日に楽天を“自由契約”となった安楽投手の来シーズンの所属先は不明瞭のまま。そんな2人の騒動をプレイバック。
WBC日本代表・山川穂高「不起訴処分」の裏で警察幹部が漏らしていた「あいつはハメられた」
一般女性へ性的暴行をしたとして、強制性交の疑いで書類送検されていた埼玉西武ライオンズの山川選手について、8月29日、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分とした。それを受けて日本プロ野球選手会も8月30日にコメントを発表。「不起訴処分が出されたことを前提に、客観的事実に基づく慎重なご対応をいただくことを求めたく存じます」とし、山川選手を擁護したのだ。この背景には捜査幹部が漏らした「山川はハメられた」という発言が関係しているという――。
山川選手は5月11日配信の『文春オンライン』(文藝春秋)で、20代の知人女性への性的暴行疑惑で事情聴取を受けていることがスクープされた。
2022年シーズンには、パ・リーグで自身3度目となる本塁打王と初の打点王を獲得。パ・リーグ打撃部門の2冠王として3月に開催されたWBCでは日本代表メンバーに選ばれ侍ジャパンの優勝に貢献するなど、勢いに乗っていただけに、報道はファンに衝撃を与えた。
その後、山川選手は5月23日、性的暴行を加えた強制性交の疑いで書類送検。その際、警視庁は「相当処分」の意見をつけていたが、これはどういう意味なのか。
「“相当処分”とは、処分に値するということではなく、あくまでも検察に処分を委ねますということ。警視庁が地検に起訴を求める場合は“厳重処分”とするが、“相当処分”の実態としては、不起訴処分になることが多い。
警察は強制わいせつ致傷罪の容疑で女性の被害届を受理したが、書類送検時には“致傷”部分について、“因果関係に疑義がある”として外しました。そのうえで、検察官に司法判断を委ねる相当処分の意見をつけ、強制性交の疑いで書類送検されたんです。
『文春オンライン』による報道が出た直後、捜査を担当した警察幹部は“可哀相だ”“あいつはハメられたんだ”と漏らしていましたよ……」(民放キー局社会部記者)
■なぜ不起訴処分になるまで時間がかかったのか――
警視庁による任意の事情聴取に対し、山川選手は「合意があった」と主張。一貫して容疑を否認しているが、背景には何があったのか、捜査関係者が言う。
「女性と山川選手の間でのトラブルの舞台となったのは東京・六本木にあるホテル。相手の女性もいわゆる“港区女子”なんです。
港区女子とは、お金持ちが多く集まる港区を拠点に夜な夜な遊ぶ女性のこと。セレブのお嬢様もいますが、多くの場合、そこに出入りする富裕層男性の財布が“軍資金”というのが実態ではあります。男性が好みそうなメイクやファッションをして高価なものを買ってもらったり、金銭を介して関係を持つ“パパ活”も行なわれています。
トラブルがあった日も、2人は仲良くLINEをしていることが確認されている。そこでのやり取りは極めて円満な雰囲気。つまり合意のうえでの行為であり、警察は事件性がないと当初から判断していた」
それにしては、書類送検から不起訴処分までおよそ3か月半。あまりに時間がかかりすぎのように思えるが……。
「書類送検から不起訴処分までにかかる期間はケース・バイ・ケースで、1か月ほどで済む場合から数か月かかることもある。今回はタイミングが悪かった。
山川選手が東京地検の取り調べを受け始めてから、担当検察官やその上司が交替で夏休みの時期に差し掛かってしまい、判断が先延ばしになったんです。もちろん、有名人が起こした事件とあり、社会的影響が大きいため、聴取に慎重になったという事情もある」(前同)
復帰に向けて現在は西武ライオンズの三軍で若手に交じって練習を続けているという山川選手。他球団へのトレード話も報じられているが……果たして、彼の今後の野球人生はどうなるのか――。
(2023年8月31日公開)