■線香が出火原因になることは?

 田中邸が燃えた原因が線香と特定されたわけではないが、線香が火災を引き起こすきっかけになる可能性はゼロではないという。

 東京消防庁によると、仏壇や神棚などで使用するロウソクや線香、提灯による火災は2013年~17年の5年間で182件発生しており、死者が2人。彼岸の時期は多くなる傾向があるという。

 内訳としては5年間で線香による火災が54件、ロウソクが126件、提灯が2件となっている。ロウソクが群を抜いて多いが、線香についても東京消防庁は「火種が着衣に着火したり、線香が折れて火種が床や座布団などの可燃物に着火することがあるので注意しましょう」と警戒を呼びかけている。

 火を使う以上、どうしても火災のリスクはつきもの。そうしたなか最近、脚光を浴びているのが火を一切使わない“LED式”のロウソクや線香だ。

 ロウソクの国内最大手メーカー・カメヤマが、18年5月21日から発売したLED式ロウソク「いろはあかり」は発売5年で約30万個出荷という大ヒット商品となっている。

*画像はカメヤマローソク公式X(旧ツイッター)『@kameyama_rosoku』より

「高齢者世帯や高齢者の一人暮らしが増えたことで、お仏壇のロウソクをうっかり転倒させてしまったり、消し忘れたりするリスクが懸念されています。LED式のロウソクは、電池式で電源コードも不要。火災のリスクがないのはもちろん、手軽で管理がとにかく楽なのが特徴です。

 これまでにもLEDロウソクはアロマキャンドルなどで多数発売されてきましたが、“いろはあかり”は本体部分に本物のロウを使い、自然な炎のゆらぎを再現。スイッチを入れるとほんのりとロウソクの周りが明るくなるように工夫されており、その優しい灯りがお仏壇用としてもピッタリだと人気です」(前出の夕刊紙記者)