■LEDロウソクにLED線香……進む代替品開発

 仏壇・仏具販売の業界最大手・お仏壇のはせがわでも、LED式のロウソクや線香のニーズは増えているという。同社カスタマーサポート担当者が、近年の需要の変化について話してくれた。

「お仏壇を持つ家庭には高齢者の方が多いのですが、やはり火を使うのは危ないということで、電池を使うLEDタイプのロウソクやお線香の問い合わせは増えています。

 消し忘れはもとより、冬場だと(高齢者は)家のなかでも厚着をしているケースがよくあります。そういう格好のまま、お線香をあげようとロウソクの火にお線香を近づけた時、袖口に火が燃え移ってしまう。

 それに気づかず火事に発展する……という可能性は十分考えられます。燃え移らないまでも、袖にひっかけてロウソクやお線香を倒してしまったりするもの。また、小さいお子さんやペットがいる場合も万が一を考えると危ないということで、LED式のものを選ばれる方が多いです」

 自宅の火災リスク以外でのニーズもあるという。

「老人ホーム内で入居者は火を使えない。そのため、お家で暮らしていた方が老人ホームなどに入る際、お仏壇も一緒に持っていきたくても直火のロウソクやお線香の持ち込みはNGとなってしまう。そこで、コンパクトサイズのLED式のロウソクとお線香をお仏壇とともに持ち込むというケースが年々増加しています」(前同)

 お線香、ロウソクの代替品は誕生している。冬は乾燥していて火災が広がりやすい季節。火の元には十分に気をつけたい。