■専門家に聞く震災時に必要な「備蓄品」

 また、大手企業が被災地へと支援物資を送ることは、他にも意味があると前出の山村氏は指摘する。

「大手企業は商品を大量生産しています。そのため、被災地へと同じサイズの商品を大量に供給できる。大手チェーン店の支援物資が避難所に届くことで、避難所で暮らす人々は皆さん、同じような商品を受け取れるのです」

*被災地に大きな爪痕を残した地震 

 サイズや種類が異なる商品が避難所へと送られると、受け取る避難者の間で不公平感が生まれ、いらぬトラブルのもとになることも。同じ基準、企画でつくられた商品が被災地へと届くことは、大きな意味があるというわけだ。

 いつ、どこで起こるかわからない大地震。そうした状況に対処するために、家庭でできる準備はあるのだろうか。

「水、食料、非常用トイレ、乾電池でしょうか。断水時、トイレに困ることは多いです。消臭剤や固形剤が入った非常用トイレが家庭にあるだけで被災時の衛生状況や過ごし方が変わる。1週間分は必ず用意することを勧めます」(前同)

 地震列島・日本。そこで暮らす以上、震災の恐怖からは逃れられない。やはり、日頃からの準備が必要なのだ。

山村武彦
東京都出身。1964年、新潟地震でのボランティア活動を契機に、防災・危機管理のシンクタンク 「防災システム研究所合同会社」を設立。以来50年以上にわたり、世界中で発生した大規模災害の現地調査は300カ所以上。その教訓を伝える防災・危機管理講演は3000回以上