44年ぶりに旧ジャニーズ事務所所属タレントの出場がゼロとなった『第74回NHK紅白歌合戦』。年末の風物詩は、2年ぶりに紅組の勝利で締めくくられた。

 番組の放送から2週間ほどがすぎたが、1月10日公開分のビルボードジャパン総合ソングチャート“JAPAN Hot 100”は、元King&Princeメンバーの平野紫耀(26)、神宮寺勇太(26)、岸優太(28)で結成されたNumber_iが『GOAT』で制した。

 今や音楽業界ではデジタル配信が当たり前となり、ヒットのためにはTikTokやSNSでの盛り上がりも大きな要素となる。そんな音楽業界は2024年、どうなっていくのか――。

 音楽チャートを分析したブログ『イマオト -今の音楽を追うブログ-』を毎日更新し、地元青森県でラジオDJも務め、毎年、的中しまくる紅白出場歌手の予想が評判を呼んでいるチャートアナライザーのKei氏に24年、最注目のアーティストと期待する展望を聞いた。少し気は早いが、年末の紅白歌合戦出場を占うものとなるのか――。

■中学3年生、TikTokから大ブレイクした『晩餐歌』のtuki.

「今年、まず注目したいのは、現在中学3年生のtuki.さん(15)ですね。23年9月29日に各音楽配信サービスにてリリースされた『晩餐歌』が、23年時点でビルボードジャパンソングチャートトップ5入りを果たしていたので、24年のブレイクは間違いないだろうなと思っています」(Kei氏)

 音楽配信サービスの『Spotify』が1月11日に発表した、24年の注目アーティストを紹介する”RADAR:Early Noise 2024”の10組にも選ばれているtuki.。

「tuki.さんは、23年4月からTikTokにギターの弾き語り動画を投稿。7月になると、『晩餐歌』制作中のもようを先行で“チラ見せ”していました。そして、23年9月13日にYouTubeで弾き語りバージョンの動画をアップ。その約2週間後に『晩餐歌』の音源をリリースしたという流れなんですね」(前同)

 21年5月からTikTokに自作曲を投稿、22年9月にリリースした『Overdose』が音楽配信サービス上で1億5000万回再生を突破したなとり(20)のように、配信前に曲の一部を先行公開するという手法はこれまでも見られた。

「tuki.さんのように、曲の公開前から制作過程を配信することで、リリース時にすでに聴き馴染みがある人も多くなる、というメリットが生まれます。すると曲のリリース直後からヒットしやすくなる可能性が高まります。

 tuki.さんの場合、より強く完成を楽しみにしていたファンも多かったのではないかと思います」(同)

※画像はtuki.の公式X(旧ツイッター)『@tuki_music_』より