■尾木ママが語る

 今回の問題に対して、尾木ママはこう意見を述べてくれた。

「学校教育で電子黒板や端末を使用してデジタル化するICT教育はコロナ禍も経てますます進められ、デジタルデバイスの正しい使用方法やリテラシーを教える必要はさらに高まっています。インターネット上では、性に関する情報や成人向けのコンテンツも多く、子どもも容易にアクセスできてしまいます。しかし、情報の信頼度が低かったり、過激だったり、問題があるものであふれているのが現状です。

 性や異性に興味を持つ小学校高学年の子どもが間違った性の知識や概念を身に付けて、今回の様な盗撮事件を起こさないためにも、デジタル教育と並行して、科学的で人権に根ざした『包括的性教育』を進める必要があるのです」

 子どもたちだけではなく教員も性教育と向き合う必要がある、と尾木ママは語るのだ。

「性教育というとすぐに、いやらしい、教える必要はないなどと騒ぐ人がいますが、自分が生まれてきたルーツや仕組みを知る権利は当然、子どもにもあります。また、それを学ぶことは、異性や他者の尊厳の尊重や、命への畏敬の念にもつながります。それなのに日本の学校ではセックス(妊娠の経過)を教えることは、文科省の規定ではどめをかけて、取り扱わないものとされているんです」

 ユニセフによる子ども幸福度調査で20年、1位に選ばれたオランダでは5歳から性教育がスタート。隣国の韓国でも中学生の3年間で、性教育に年間10時間は割かれている。

「日本は中学生への性教育が3年間でわずか3時間。デジタルデバイスを配布して子どもたちを情報の海に放り込んでおきながら、性教育からは目を背ける。現在の文科省による規定は教育現場の実態とあまりにも乖離し過ぎています。

 子どもたちがアダルトコンテンツなどからのみ情報を得て間違った性知識や性概念を持つ前に、正しい知識のみならず、生命尊重や人間関係、自他の個性尊重などを幅広く含む『包括的性教育』を行うことが今回の様な不祥事を防ぐことにつながるのです」(前同)