■もし尾木ママの担当クラスで盗撮騒動が起きたら

 尾木ママは、自身が担当するクラスで盗撮沙汰が起きたら、どのように対応するつもりなのか。

「被害児童のケアが第一です。同じクラスで加害者と被害者が一緒に過ごすなどという状況は、ひとまず避けたほうが良いでしょう。一方で、加害児童には自分が同じように着替え姿の写真を他人に撮られても平気かい? と話して、自らの行為が被害者の心や人権をいかに傷つけたかを理解させることも大事です」

 奇しくも事件が起きた武蔵野市では23年4月1日に『武蔵野市子ども権利条例』が施行されたばかり。条例の前文は《すべての子どもには、ひとりの人間としての権利があります。》から始まる。

「家庭でも自分や他者の命、人間としての尊厳を大切にする様にと、子どもに教えることはできます。20年3月に出版された『おうち性教育はじめます』(KADOKAWA)は21万部を超えるベストセラーになっていますが、家庭における正しい性教育がいかに多くの人たちに求められているかの証左でしょう。こういった本を自宅に置いておき、機会をとらえて性について話題にしてみると、子どもの性への意識や理解は変わるように思います」(前同)

 家庭で取り組みにくい話題でもある性教育。まずは、一歩踏み出すところからスタートすべきなのだろう。

尾木直樹
1947年・滋賀県生まれ。法政大学名誉教授。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師として、22年間、子どもを主役とした創造的な教育を展開。その後、大学教員に転身して22年、合計44年間、教壇に立つ。テレビ・雑誌・新聞など多方面で活躍している。