■離れた視聴者は戻るか?

 ドラマの内容に対する不満というより、月曜の夜から気持ちが重くなって、ついていけないという、悲鳴のような反響だ。第1話もかなり暗い展開だったが、第2話はさらなる悲劇が2人を追い詰めていく救いのない展開だった。

 たとえば、太陽(山田)は、花火師として再スタートしたが、母の死の真相を知って絶望。一方、雨(永野)も、虐待されていた母・霞美(真飛聖/47)と和解したり、かつて彼女を切り捨てたパティシエから「見込みはあった」と告げられてと、希望が見えてきたのに、結局、味覚を失ってしまう。1話でここまで悲劇を詰め込まれたら、さすがに悲鳴があがるだろう。

 残る話数は8話か9話だろう。毎回、五感がなくなっていたら、最終回前にネタが尽きるので、第3話は救いのあるエピソードを入れてくるはずだ。舞台となる「長崎ランタンフェスティバル」と、高校時代の初恋をめぐるストーリーは、ロマンチックな雰囲気になるだろう。しかし、残念ながらここまで視聴者が離れてしまうと、巻き返しは難しいだろう。

 とはいえ、今作はファンタジー要素が強めのドラマ。五感を失うことが、なんらかの“奇跡”で覆ることも考えられる。もし雨と太陽に見事な“救い”が授けられれば、再浮上の可能性はある。今後の展開に期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)