■“ネタドラマ”として『新空港占拠』を抜いてしまう!?

 爆破シーンがCG丸出し、地上数十メートルから落下しても主人公である武蔵三郎役の櫻井翔(41)が傷ひとつ負わないなど、ツッコミどころが満載ながら高い視聴率を取った『大病院占拠』(日本テレビ系、23年1月期)。

 そんなドラマの続編となる『新空港占拠』(毎週土曜日、夜10時から)こそが今期の“ネタドラマ”枠だと思われていた。しかし、第1話のラストでは前作で、武蔵とともに困難に立ち向かったはずの駿河紗季(宮本茉由/28)が敵役として武蔵の前に姿を現すなど、意外なほど正統派なアクションドラマストーリーだったこともあり、フジテレビ月9の『君が心をくれたから』のほうがネタドラマ化していると見る声もあるという。

「『君が心をくれたから』の第1話で、8年ぶりに長崎に戻ってきた主人公の雨(永野)ですが、大晦日の深夜0時発の福岡行き高速バスに乗って東京へと戻るつもりでした。それを知った太陽(山田)が、花火大会の群衆をかき分けて雨に会いに行くというシーンがあります。

 太陽は、雨に気づいてもらうために人混みの中で爆竹を投げ、自分へと注意を向けるのですが、“危なすぎる”とX(旧ツイッター)上には視聴者からのツッコミが殺到していましたね」(前出のテレビ誌編集者)

 また、ドラマで雨が乗車しようとしたバスの路線時刻表も実際の需要と見合っていないという。

「長崎・福岡間は高速バスで3時間半程度。新幹線はおろか在来線も走っていない早朝3時半に福岡に着く高速バスなんて利用者の需要があるはずもない。

 お盆時期に、爆竹や掛け声、カネの音が鳴る中、わら船(精霊船)を川に流し、故人の霊を弔う精霊流しを行なう風習がある長崎県民でも、普段から爆竹を持ち歩いているはずもありません(笑)」(前同)

 ほかにも15日に放送された第2話では、雨がマカロンを購入後に驚いて紙袋を落とすシーンがあるのだが、その場面も不自然だと指摘する声もあるという。

「紙袋から直にマカロンが転げ落ちていたんです。“直接紙袋にお菓子を入れて持ち歩いていたの?”と疑問の声が上がっていますね。

 フジテレビとしては、川口春奈さん(28)が主演し、目黒蓮さん(26)との恋愛模様が泣けると話題になった『silent』(22年10月期)の“再来作品”を作りたかったのでしょうが……ファンタジーの見方の難しさ、あまりにも暗すぎる内容、Netflixの名作の“パクリ疑惑”、そしてツッコミ満載のディテールと、第2話にしてなかなか厳しいことになってきていますよね。胸キュン展開が描かれそうな第3話以降に期待したいですが……」(同)

 近年、そのブランド力が地に落ちてしまったとも言われているフジテレビ月9ドラマ。若年層に絶大な人気を誇る永野&山田コンビは、ここから巻き返せるか――。