■大将は少しずつ騒動当日のことを語った――

 1月20日、店の営業時間が終わった22時過ぎに来客の見送りを終えた吉田大将を直撃した。弊サイト記者が名刺を渡した直後は顔を歪め、

「いろいろあるから。今は様子を見ています」と、言葉を濁す大将だったが、徐々に、当日のことを語ってくれた。

 そもそも、なぜこのような騒動に発展したのか。

「他のお客様を守るためにやったんです。うまい画(え)が撮れたから載せられちゃったんであって、カウンター越しにお客さんを殴れるわけがないじゃん……」

 とポツリ。

 当日の店内は、どんな様子だったのか。

「その日はそれぞれ初見の男性と女性のお客様が2組ずつ。最初に、“(スマホでの)撮影は料理以外はダメですよ。動画もダメですよ”と言っていたんです。ところが、それを無視して(後にトラブルになる)女性とその同伴客は動画、写真を撮りまくる。当然、もう1組のお客さんの雰囲気は悪くなりますよ」

 他の来店者の居心地が悪くならないようにと大将は気を遣い始めたという。すると、それに気がついたのか、今度は「大将もワインを飲みましょうよ」と、その女性客ではない、もう1組のお客さんから声がかかったのだと話す。

「ありがたいことにワインをいただきました。それを自分の側のカウンターに置いていたら、女性からいきなり“二日酔いなのに私の目の前にワインを置かないでくれ”と言われました」

騒動の舞台となった『鮨 よし田』

 その時点では大将は、その後、トラブルへと発展する女性客が当日、二日酔いであることは知らなかったと語る。

「“(女性客が)二日酔いなんてことも俺は知らないし、だったら先に言ってよ”と思いますよね。そもそも、別組のお客さんから僕がいただいたお酒の扱いを他のお客さんが口出ししてくること自体、失礼です。

 最初から“今日は二日酔いなんで”などと言ってくれていれば対処もできました。それもなく、いきなり、“二日酔いなのに私の目の前にワインを置かないでくれ”と自分の店で言われれば、良い気はしませんよ」