1月17日、第170回直木三十五賞(以下「直木賞」)の受賞作が発表された。選ばれたのは河崎秋子氏(45)の『ともぐい』(新潮社)と、万城目学氏(47)の『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)。候補に選ばれていた人気グループNEWS加藤シゲアキ(36)の『なれのはて』(講談社)は、惜しくも受賞を逃した。

 加藤が書いた『なれのはて』は、秋田県を舞台にした、彼にとって初の時代小説。戦争や差別、横暴するジャーナリズムなどの社会問題をテーマに扱った作品で、加藤は本作のために秋田県・土崎地区を訪れ、空襲経験者の話を聞くなど、並々ならぬ情熱を注いで書き下ろした小説だった。

※画像は加藤シゲアキの公式X(ツイッター)『@Shige_no_hitori』。隣にいるのは小説家の今村翔吾氏

「直木賞の発表当日、加藤さんは『なれのはて』の版元の講談社の関係者と一緒に発表を待っていたそうです。そして、加藤さんは受賞を逃してしまったことで非常に落ち込んで、大荒れだった、とも聞こえてきています。昨年は旧ジャニーズ問題もありましたから、それが多少なりとも結果に影響してしまったんじゃないか――そんな疑念がよぎってしまったところもあるかも、とささやかれていますね……」(ワイドショー関係者)

 ジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題は、加藤が『なれのはて』の改稿作業中に浮上した問題。加藤は本の発売記念会見で「この小説もメディアの話が関わるので、出すべきなのかは葛藤しました」と吐露しつつも、「覚悟を持って書きあげた作品ですので、刊行しないという選択肢はない」と、力強く語っていた。

「強い葛藤を経て上梓した作品だっただけに、相当な思い入れもあったのでしょう。そのため、受賞を逃した加藤さんがとても悔しい思いをし、荒れてしまったというのも無理からぬことですよね。

 加えて、加藤さんは昨年11月に肝内胆管がんで亡くなった、直木賞作家の伊集院静さん(享年73)を“初めて会った作家の先輩”として強く慕っていました。受賞を逃して、伊集院さんへの恩返しが叶わなかったことも、加藤さんが大きなショックを受けている理由の1つかもしれません」(前同)