“痛い”が、2024年コスメトレンドのキーワードになりそうだ。
23年11月4日発売の『日経トレンディ2023年12月号』に掲載された特集『2024年ヒット予測ベスト30』で7位にランクインしたのは “痛いコスメ”。特集では、韓国のコスメブランド『VT COSMETICS』から発売され、人気を呼んでいるスキンケア商品の『リードルショット』シリーズが紹介されている。
聞きなれない『リードルショット』という言葉。この単語の意味を若者文化や流行に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏が解説する。
「商品を発売するVTによれば『リードルショット』とは、着けると”チクチク”する痛さが話題となっている、毛穴より小さい“天然の美容針”ことシリカ(二酸化ケイ素)のこと。この針で肌に刺激を与え、美容成分の浸透を促進するというわけです」
商品ラインナップは多岐にわたる。
「美容針の数によって、いくつのも種類があり、『REEDLE SHOT 100』(50ミリリットル・税込3520円)、『REEDLE SHOT 300』(50ミリリットル・税込4730円)、『REEDLE SHOT 700』(30ミリリットル・税込6380円)などがある。
針の本数が多いほど刺激は強く、肌触りはジェルのようで、使うとチクチク、ピリピリといった感覚があることが話題に。痛さの程度には個人差があります」(前同)
『リードルショット』と同様に、韓国発のスキンケアブランドとして若者から絶大な人気を集めているのは『numbuzin(ナンバーズイン)』だ。同ブランドから発売されているシートマスクなどの商品はシリーズ化されて1~5番まであり、数字ごとに効果や使い心地は異なるという。
「シートマスクであれば、1番は肌のツヤ、2番は弾力、3番は毛穴引き締め、4番は火照りや赤み解消、5番は透明感を取り戻すトーンアップ。価格はどれも1枚290円(税込)と購入しやすい値段で、消費者は自分の肌の悩みにあった商品を見つけられる。それが商品の売りなのでしょう」(同)
韓国では美容系Youtuberの投稿をきっかけに人気に火がついた『numbuzin』。21年には日本公式オンラインショップが開設され、翌22年からは東急ハンズやマツモトキヨシなどのドラッグストアでも取り扱いがスタート。国内でも話題を呼んでいる。
そんな『numbuzin』の中で、消費者から特に人気で注目されているのは、毛穴を引き締める、”痛み”を売りとする『3』番のシートマスク。“耐えればギュッと毛穴のない赤ちゃんの肌へ!”をキャッチコピーに、ヒリヒリするという”痛さ”が話題となり、日本国内の量販店では『numbuzin』の『3』番しか取り扱いがないという店舗も少なくない。