豆をまいて福を招き、鬼を退治する節分。2024年は2月3日だが、昔から関西地方では、無病息災や商売繁盛を願い、「恵方巻」が食べられてきた。そうした行事食を全国区にした一因に、コンビニチェーンによる恵方巻の全国販売があるが、最近は、恵方巻文化を広めたコンビニで売られている恵方巻が高級化しているという――。
もともとは七福神にあやかり、“福を巻き込む”縁起の良い7種類の具材を巻いたものだったという恵方巻。たとえば、細くて長いかんぴょうは”長生き”、伊達巻は”金運”を意味しているという説もある。では、恵方巻が全国的に知られるようになったのは、いつのことか。
「恵方巻は、全国に店舗を持つコンビニチェーンである、セブン-イレブンが1998年、ローソンとファミリーマートが03年から取り扱いを開始。スーパーやデパートでも広く売られるようになり、00年頃から一気に“全国区”となりました。
その後、恵方巻商戦が加熱。10年代半ばにはコンビニで働くアルバイト店員にまで販売ノルマが課せられ、売れなかった分は自分で買い取る“ノルマ営業”が横行。NHKなどの大手メディアがニュースで取り上げ、社会問題にもなりました。さらには大量廃棄問題が取り沙汰され、19年からは農林水産省が流通業界に対し、需要に見合った販売や、予約販売の強化を呼びかけました」(経済誌記者)
コンビニ各社は予約販売数を増やすため、販売する恵方巻に使う具材などの見直しに入った。
「そして最近は、お手頃な価格の商品とは別に、高級食材を使ったり、有名店とコラボした贅沢な恵方巻が目立つようになっているんです」(前同)