■共感の声も多いが……

 次に、安藤サクラ(37)が主演した2023年1月期の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)のような、主人公のモノローグ(独白)を多用するスタイル。これも単調さに拍車をかけているという。

「ドラマは終始、主人公の視点とモノローグで話が進んでいくので、物語の世界に広がりが感じられない。脇を固めるのは、橋本マナミ(39)、中越典子(44)、関水渚(25)と申し分ないメンツなのに、登場する時間も短く、彼女らの好演が活かされていない。違う演出方法を選んだほうが良かったかもしれません」(前出のドラマライター/ヤマカワ)

 さらに、このモノローグ演出は、主演の福田にも負担を与えているらしく……。

「主人公の感情の動きや、婚活をめぐる状況など、ほとんど福田のモノローグで説明させられているので、彼女の負担が大きいんです。コントで鍛えられているので演技力はありますが、俳優としては本職ではないため、どうしてもドラマでは力不足を感じます。見ていてちょっとかわいそうですね……」(前同)

 原作のセレクト、演出、キャスティング、ドラマ制作には重要なことばかりだが、それぞれがうまくハマらなかったのが、超低空降下の原因のようだ。

 視聴者のX(ツイッター)上の反響は、《確かにシンプルに好きと思って妄想して、やっぱ何か違うと思って急に冷めるの分かる。理屈じゃないんだけどな》《南さんがハートパイを好きになれない自分に絶望して泣いちゃうとことか、気持ち分かるわー》など、共感の声も多い。“わかりみ”はあるのだが、それだけでは多くの人の心をつかめなかったようだ。

 ドラマ公式サイトの相関図によると、山田クソ男(八木)の導きにより綾子と出会う、貿易会社の御曹司(野村周平/30)が本命の恋の相手になりそうだ。現在、プライム帯ドラマの全話平均視聴率ワーストは、前期放送の『たとえあなたを忘れても』 (朝日放送制作、テレビ朝日系)の3.2%だが、『婚活1000本ノック』がワーストを更新しないよう頑張ってほしい。