■カリスマシェフ自ら売り場に立つお店も……

 話題の店は他にも。多様性を表現する商品をシェフ自ら販売し、注目を集めたのはチョコレートの本場パリで名を馳せる青木定治シェフ率いるパティスリー・サダハルアオキ・パリだ。青木シェフが自ら店頭に立ち、販売を手掛けた商品は、その名も『東京焼き』(1個・459円・税込)である。

サダハルアオキが提案する『東京焼き』 撮影/編集部

「抹茶やカカオで作られた今川焼きの生地の中に、マカロンを詰め込んで焼き上げた東京焼きは、アズキ味とキャラメル味の2種類が販売。モチモチした食感と中から溶け出すチョコレートの風味が特徴です。一度食べたら忘れられない食感で、サロン・デュ・ショコラにおけるサダハルアオキの定番の人気メニューでもあります」(前出の太田氏)

 そんな青木シェフも舌を巻くようなチョコレートの可能性を、ほど近い売り場で提示したのは、フレンチの皇帝ジュエル・ロブションの息子で、自身も焼き菓子店を手掛けるルイ・ロブション氏だ。サダハルアオキの斜向かいに売り場を構えたルイ氏が、チョコレートで表現したのはフレンチのフルコースである。

ルイ・ロブション氏がチョコレートで手掛けたフレンチのフルコース 撮影/編集部

「4つ入りで4000円(税込)のチョコレートはロマージュと名付けられています。強気の価格設定の割に、見た目が映えるというほどでもありません。しかし、一口食べると今までのチョコレートの概念が覆ります。

 父であるジュエル・ロブションがお店で来店客へ振舞った前菜料理からインスパイアを受けて、ルイ氏が作ったチョコレートで、トリュフとチーズの味と香りが湧き立つものも。ルイ氏は、フレンチのフルコースをイメージして創ったと語っていますが、その言葉に、偽りなしでしたね」(前同)

売り場に自ら立ったルイ・ロブション氏 撮影/編集部

 他にも、おいしそうな商品が目白押しだったチョコレートの祭典、サロン・デュ・ショコラ。スイーツとは切っても切り離せない、インスタ映えするチョコレートも商品棚に並び、多くの来場者の目を惹きつけていた。

「世田谷区の北沢に本店を構える『Le Pommier』の商品もすごかったですね。リンゴの形を模したチョコレートで、2つ入って2970円と値は張りますが、本物のリンゴそっくりに仕上げられていて、インスタ映え間違いなしですね」(同)

 フレンチの皇帝のご子息が作り出した本格派の逸品、和の名店の和洋折衷の傑作、そしてインスタ映え間違いなしの驚きの新商品まで、自分への「ご褒美」にしたい高級チョコレートが数多くあった。バレンタインデーまであと1週間。いつもは買わない人も、今年は頑張った自分に「ご褒美チョコ」もいいかも。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。