■肌のバリア機能が低下した状態とは?

「肌の表面は角質で覆われています。角質とは死んだ細胞が層になってできたもの。生きた細胞には痛覚がありますので、それが肌の外側にあると人間は常に痛みを感じます。それを防ぐのが死んだ角質で、肌の表面で積み重なることでバリア機能になるんです」(前出の吉木医師)

 バリア機能として作用している角質。しかし、スキンケアをしすぎるなど、強い力で擦ると、魚のウロコのようにところどころ剥がれ落ちてしまう。

「肌の表面にある角質が剥がれ落ちれば、その隙間からハウスダストや花粉が入り込む。異物が肌に侵入することで、肌が痒くなったり、赤みが出たりするというわけです。肌のバリア機能が低下した状態とは、このことを指します。

 肌のバリア機能が壊れると、細胞がめくれて水分が肌から出ていく。空気が乾燥している冬場ですと、より体内から水分が出て行きやすくなるというわけです」

 シミなどのリスクも高まるという。

「紫外線が肌の隙間から入ってきます。紫外線が細胞にじかに当たるとシミができやすい。乾燥するこの季節は肌がめくれやすくなるので、紫外線が直接細胞にまで届く可能性が高まるのです」(前同)