新年度から、公共放送であるNHKに大きな変化が訪れる――。
4月から平日13時~18時という5時間もの間、毎日生放送で情報番組を届けるという大型改編が発表されたのは2月14日のことである。前半2時間はNHK大阪放送局が担当する『列島ニュース』(13:05~14:50)、後半はNHK東京放送局が担当する『午後LIVEニュースーン』(15:10~18:00)という制作体制になるのだ。
「『列島ニュース』は現在、平日の13時5分~13時55分まで放送している同名番組を1時間拡大版とした形。キャスターは伊藤雄彦アナ(58)、一柳亜矢子アナ(43)、小山径アナ(47)、高瀬耕造アナ(48)が続投します。『午後LIVEニュースーン』はメインキャスターを池田伸子アナ(38)と伊藤海彦アナ(39)が務めることが発表されました。
それぞれのスタジオから、その日のニュースをはじめ、視聴者に役立つ生活情報などを取り上げるとのこと。列島各地にある放送局からの中継やNHKが保有している過去映像なども取り入れ、飽きさせない編成を考えているようです」(制作会社関係者)
平日のその時間帯、これまでNHKは朝の連続テレビ小説を再放送するほか、健康番組や街歩き番組、歌番組などバラエティ豊かな放送内容だったが、今後は情報番組一筋ということになる。
全国54もの放送局のネットワークを持つNHK。午後帯の情報番組といえば宮根誠司(60)が司会を務める『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)やTBS系列の『ゴゴスマ』など従来、民放の十八番だった。そこに”みなさまのNHK”が参戦と聞くとなんだか凄そうだが、背景にある思惑は何なのか。
『報道ステーション』など数々の報道、情報番組でディレクターも務めてきた元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は「経費削減では」と指摘。
「番組制作費用は、映像編集やロケ撮影の様に放送までの工程が多い収録番組よりも生放送のほうが安く済むんです。しかも、NHKは支局が全国各地にあるので取材網も広がっている。そのため、たくさんの映像や原稿を持っている。お蔵入りになっているものも多いので、それらを有効活用すれば新番組がコスパ良く制作できます。
NHKは公共放送ですし、視聴者に受信料を払ってもらっている。そのため、あらゆる人に向けていろんな番組を作る必要があるはずですが、予算削減の波には抗えなかったのではないでしょうか。午後帯に放送する番組を情報番組1本に絞れば、新たに制作する新番組の数はかなり減らせますからね」(鎮目氏)
省エネで番組作りができるというわけだ。
「全国ネットワークとか情報番組とか格好良く言ってるけど、本音は予算削減、人員削減というところでしょう」(前同)