■マクドナルドだけが突出した売り上げを誇るワケ
ただ、世界展開をしているような大規模ファストフードチェーンはマクドナルドに限らない。世界110か国でサンドイッチを販売するサブウェイや、台湾でも300店舗以上を展開するモスバーガーなど枚挙にはいとまがないわけだが、マクドナルドだけ突出した売上を叩き出すことができるのはなぜなのか。
「サブウェイは消費者の好みに応じて商品を作るため、効率性が悪い。モスバーガーもライスバーガーや低アレルゲンメニューの販売を行なっているため、マクドナルドと比較するとロスも多く、手間が掛かる。ハンバーガーやフィレオフィッシュ、ビッグマックといったシンプルで利益率が高い定番商品がマクドナルドには多いのです」(前出の岩崎氏)
今後、ファストフード業界はどの様に変化していくのか。
「デリバリーやテイクアウトに特化した都心の小型店が増えると思われます。コロナ禍も明け、オフィスには人が戻り街は活気を取り戻しました。一方、出店スペースは限られる。
ファストフードチェーンは店内での飲食に限らず、テイクアウトやデリバリーでの需要も多い。人流の多い都心部における小規模スペースでの出店にうってつけの業態なのです」(前同)
マクドナルドは23年5月に初めてデリバリーとテイクアウトだけに特化した『早稲田駅前ANNEX店』をオープンしたばかり。ファストフードの王者は商機を逃しはしないということか。
岩崎剛幸
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。著書に『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)
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