■さながらOLドラマな『光る君へ』

「序盤は権力争いと恋愛で進んできましたが、今回は女性同士の関係もクローズアップ。お嬢様な源倫子(黒木華/33)、聡明ながら純粋なまひろ、陽キャのききょうが出揃い、倫子の文学サロンの仲間も含め、さながらOLドラマを見ているよう。それがスパイス的に使われるのでなく、メインとして描かれているところに新しさを感じます。

 これまでの大河は、史実にのっとる以上、どうしても男社会を描かざるをえなかった。それに対し、今作は史実がないも同然なので、男女をフラットに描くことができるんです。今までにないこの内容は壮大な実験ともいえるもので、従来の視聴者が離れるのは織り込み済み。制作側も数字はまったく気にしていないでしょう」(ドラマライター/ヤマカワ)

 また、第6話の演出は、滝沢秀明(41)主演の大河ドラマ『義経』など数々の名作を手掛けてきた、ベテランの黛りんたろう監督を起用し、格調高く見ごたえある映像となっていた。ここからも局側の力の入れようが分かる。

 新しい試みは、最初こそなかなか受け入れられないが、時間をかけて定着していくものだ。『光る君へ』の視聴率も、新しいがゆえの数字なのだろう。大河ドラマとして、最終的にどんな評価を受けるのか、今後の展開に注目したい。