大学生は春休み真っ最中、新社会人としての門出を祝う入社式を目前に控えた大学4年生は卒業旅行シーズンを迎えている。今年は2023年5月に新型コロナウイルスの感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行されて以降、初の春。昨年までは、コロナ禍ということもありなかなか旅行気分になれないという人も多かっただろう。しかし、今年はその熱が戻ることも予想される。

 都内の大学に通う女子学生(4年生)は、

「20年の4月に入学して以来、学生生活がずっとコロナ禍。外出が制限され、なかなか遊びにも行けない日が続いたのですが、去年やっとそれが明け、夏からは旅行しまくってます。国境をまたいだ旅行にも行きやすくなり、卒業旅行もアメリカに行きます」

 と、笑顔を見せる。

 現に国内外の旅行パッケージツアーの販売を手掛ける大手旅行会社・JTB広報担当の大塚さんは、学生旅行について「盛り上がっている状況」だと話す。

「現在の大学生はコロナ禍での学生生活だった。そのため、大学生活で友人と過ごす最後のチャンスとして卒業旅行のお問い合わせも多く入っています」(大塚さん)

 長期休暇の時期にあわせて10代・20代の海外旅行を応援するとしてJTBが打ち出すクーポンキャンペーンも、すでにこの春の海外旅行をサポートする分は完売しているとのこと。学生たちの旅行人気が高いことがうかがえる。

■JTBおすすめ! 海外旅行

 では、そんな春の学生旅行におすすめの場所はどこなのか。大塚さんに海外旅行編/国内旅行編ともに教えてもらった。まずは海外旅行編。

【ヨーロッパ:イタリア・スペイン・フランス】 

「ヨーロッパは旅行日数も1週間ほどは必要なので、お休みのコントロールがしやすい学生期間での訪問がおすすめです。歴史も芸術も食事も一度にあらゆる経験ができますし、一人時間も満喫したいという人には、美術館巡りもおすすめの過ごし方です」(前出の大塚さん)

 添乗員および現地係員付プランも人気だという。

「添乗員同行プランは年齢層が高い方の利用というイメージもございますが、久しぶりの海外旅行、貴重な学生旅行を充実かつ安心・安全に行きたいという理由により、若い方の間でも需要が高くなっています。

“パリ+どこか”とパリと他都市を組み合わせたコースや、ミラノ、ベネチア、ローマなどイタリア国内やバルセロナ、グラナダ、マドリードといったスペインの大都市圏をバスで巡るヨーロッパ周遊バスの旅『ランドクルーズ』も人気ですね」(前同)

 ランドクルーズプランを選択した旅行客は、現地発着の観光バスに乗り異国の地を旅行する。日本語を話す現地添乗係員がバスには同乗し、観光地や食事場所、宿泊ホテルの案内などを日本語で行うという。入場券もホテルも一括手配で、全区間1名より出発が保証されるため、面倒な手間がなく、一人でも仲間とでも安心して旅を楽しめるようだ。

【アジア:韓国・台湾・タイ】

「他の方面に比べると旅行代金が安価で、フライト時間も短く負担が少ない。短い日数でも旅行ができるとしておすすめです! 時差を感じづらいこともおすすめポイントで、現地到着後すぐに旅先をお楽しみいただけます」(同)

 大塚さんによれば、コロナ禍前はグアムやハワイのホノルルなどといったリゾートエリアの人気が高い傾向にあったとのことだが、今年の春はやや様変わり。円安が影響してかアメリカやヨーロッパよりもアジア方面を旅行先に選ぶ学生が多いという。