建設現場で活躍する作業員の方々。ガッチリとした体で、常に現場で忙しそうに動いている彼らが、作業現場で着用するのを多く見かけるのはニッカポッカブランドの代名詞でもある、作業服・関連用品の専門店ワークマンの商品だ。

 群馬県内で1980年に1号店をオープンすること44年。いまや全国47都道府県で1000店舗以上を展開する一大チェーンとなったワークマンが新たな試みを表明したのは、2月18日のことである。

 全国紙経済部記者が語る。

「ワークマンが、ついに子ども服の販売へ本格参入することを発表したんです。

 ワークマンは今や作業着の枠を越え、日常服のメーカーにまで成長しています。2019年には、日常服を扱う『ワークマンプラス』をスタート。20年には女性をメインターゲットに据えた『#ワークマン女子』を神奈川県内で始め、現在では46店舗を展開と大成功を収めています」

 今回、ワークマンが子ども服分野へと進出した背景には、『#ワークマン女子』での成功があるとワークマン広報部の伊藤磨耶さんは話す。

「『#ワークマン女子』のメインターゲットとなったのは子育て世代のお母さまたちです。ワークマンは元々、作業服のメーカーですから防水機能に優れている。来店するお母さまたちは、家事とか炊事で服も汚れやすい。

 ワークマンの服なら汚れないということでお母さまたちからご支持をいただきました。そんな中で次第に、“子ども服はないの?”と聞かれることも増え、販売を検討し始めたということです」(伊藤さん)

 作業服が元来持つ優れた耐久性や防水性が最も求められていたのは、子ども服の分野だったというわけだ。しかし、ファストファッション業界は今や戦国時代。ユニクロやGU、しまむら、無印良品を筆頭に、黒船であるH&MにZARAなど枚挙にはいとまがない。