■不可能が可能になるジャンル

 日テレ内では、過去の名作ドラマの再放送や、バラエティ特番で枠を埋めるなどの話も浮上したようだが、すでに同局は新たにドラマを制作し、放送することを明らかにしている。前出の制作会社関係者はこう話す。

「新たな作品の、脚本制作やキャスティングもめちゃくちゃ大変です。でも、それ以上に“不可能”と言われるのがロケの準備や美術セット製作。そんななかで1つ、起死回生の方法なのでは、と業界内で言われていることがあります。ロケに行かず、大規模なセットも組まなくてもいけるジャンル――“テレビ局もの”しかないのでは、となっていますよ。つまり日テレを舞台にした作品です」

 日本テレビの東京・汐留の本社ビル、麹町スタジオ、番町スタジオ――テレビ局を舞台にしたドラマなら、“不可能が可能”になるというのだ。

「たとえば、主人公をADやディレクターにして番組づくりの裏側を描くドラマにすれば、バラエティ番組、情報番組などのセットをそのまま流用できる。もちろん、セット裏や局の廊下などもドラマの舞台となりますよね。その設定ならば、ロケで遠方に行く必要もありません。

 加えて、キャスティング面のメリットもある。テレビ局が舞台なら、アナウンサーを本人役で出演させても、違和感がないでしょう。

 たとえば大人気の水卜麻美アナ(36)や岩田絵里奈アナ(28)を出演させるとか……それに絡めて、既存の番組とコラボ企画で盛り上げることもできますよね。ちょうど新年度、春の改編期であることもプラスになりそうです」(前同)

 4月はテレビ界の改編期。今年、日テレは局の看板である報道番組の『news every.』と『news zero』が両番組ともメインキャスターが交代することで注目を集めている。

※画像は『ZIP!』の公式X『@ZIP_TV』より

『every.』は、2010年からメインキャスターで “日本テレビ史上最長の夕方の男”だった藤井貴彦アナ(52)が卒業し、新たに森圭介アナ(45)が加入。鈴江奈々アナ(43)とダブルメインキャスター体制にリニューアルする。

『zero』は、有働由美子(54)が卒業。後任は『every.』を卒業する藤井アナが務める。

「特に『every.』は藤井アナのイメージがあまりに定着しすぎているため、しばらく新顔の森アナは苦労することになると見られています。そこで『every.』と新ドラマをコラボさせれば新体制の『every.』の宣伝にもなるし、一石二鳥ですよね」(前同)