栃木県宇都宮市と静岡県浜松市、そして、宮崎県宮崎市。この3都市が“餃子日本一”の座を巡って覇権を争っていることは、ご存じだろうか。

「1987年に総務庁(当時)が家計調査に新たに餃子を加えたところ、宇都宮市が日本一の消費地と分かったことがきっかけです」(全国紙文化部記者)

 全国の餃子事情に詳しい『東京餃子通信』の塚田亮一氏が解説する。

「この調査に宇都宮市が飛びつき、餃子を市の名物にしようと、観光協会などに呼びかけて大々的にアピールし始めたんです」

 これに負けじと、“餃子愛”をアピールしたのが浜松市だ。

「浜松市では、昔から持ち帰りできる餃子店が多かったこともあり、市民はスーパーで餃子を買って家で食べる下地がありました。家計調査は、外食や冷凍食品を除く餃子が対象ですので、浜松市は宇都宮市と並ぶ餃子消費都市としてトップ争いをするようになったんです」(前同)

 長らく浜松市と宇都宮市が覇を競っていたが、2022年の調査から宮崎市が2年連続で1位となり、“3強”の乱世に突入している。

「農業が盛んな宮崎市は餡に入れる豚肉やニラ、キャベツなどが地元産で賄えるだけに、フレッシュで安いんです。このため宮崎市民は餃子好きが多く、100世帯当たりの購入頻度では、宮崎がこの4年は連続トップなんです」(宮崎市観光協会)

 今年の調査では、浜松が3年ぶりに“購入額日本一”の座を奪還。市民団体・浜松餃子学会の担当者は頬を緩める。

「餃子は昔から物作りの街だった浜松市民の、手軽で安いソウルフードですからね。こうして1位になると、やっぱり嬉しいですよ」