お隣の韓国では2022年末、「2023-2024韓国訪問の年」を宣言。昨年から観光産業支援に強く力を入れている。そのかいあってか、23年に韓国を訪れた日本人はおよそ232万人で、コロナ渦で29万6867人と大幅に減少した22年に比べ、訪韓日本人観光客数は大きく回復。近年ますます盛り上がる韓国カルチャーを現地で味わおうという日本人は増えている。

 音楽、ドラマ、ファッション――今や韓国からさまざまなトレンドが日本に波及しているが、24年日本でも注目すべきグルメがあるという。若者文化や流行の最先端に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏によれば、それは「生地に塩がかかった塩パン」だとのこと。

「塩パンは日本では00年代後半に一度大きなブームがあり、定番商品として定着していますが、韓国では21年頃から塩パンブームが到来。そもそも韓国はここ数年ベーカリーブームが起こっていて、ねじり揚げドーナツの“クァべギ”や今川焼のような“ケランパン”など進化系のスイーツパンを中心に、パン人気そのものが高い。その中でも最近は、どこもかしこも塩パンという感じで取り扱う店が増えていて、店によっては開店前から行列ができるほど人気が過熱してるようです」(太田氏)

 韓国では、この塩パン人気がスナック菓子にも及んでいるという。

「日本では“辛ラーメン”のメーカーとして知られる農心(ノンシム)が“パン部長塩パン”というベーカリースナックを23年10月に発売し、これが大ヒット。発売1週間で100万袋がすぐに完売したそうです。お菓子ではありますが、フランス産高級バターと天日塩を使うことで、香ばしく甘じょっぱい塩パンの風味が楽しめるところが韓国の若者にウケていて、現地の塩パンブームにうまくハマったのだと思われます」(前同)

*画像は農心の公式インスタグラム『@nongshim』より