現在、首都圏の若者たちの流行の発信地と聞けば、どこを思い浮かべるだろうか。原宿、渋谷……そう考えたあなたはすでにオジサンなのかもしれない。若者文化や流行に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏が解説する。

「Z世代にとって流行の発信地と言えば韓国です。2023年末頃からSNSで話題になったのは、韓国発の“猫プリン”あるいは“うさぎプリン”と呼ばれるプリンでした」(太田氏)

 この聞きなれない単語。どんな商品なのだろうか。

「耳のようなものがぴょこんと飛び出し、猫のようなうさぎのような形をした立体的なフォルムの白いプリンで、韓国では“トスニプリン”と呼ばれています。その愛らしい見た目と、皿に載せて揺らすとぷるぷると独特の揺れ方をするのが可愛らしく、TikTokなどを中心に大いにバズっています。

 Z世代の間ではSNSでも発信しやすい映える見た目の可愛い商品が流行りやすい。韓国発のトレンドはとにかく見た目を意識したものが多くZ世代の心を捉えやすいのです」(前同)

 韓国のカフェで提供しているトスニプリンがSNSで大反響を呼ぶや、日本でも最新の韓国文化波及の地である東京・新大久保を中心にすぐさま話題に。国内でも提供する店が増えているという。なかでも太田氏が注目するのは、新大久保の『スタジオカフェMARU』だ。

「昨年11月頃から数量限定でこのトスニプリンの販売を始めており、“映えスイーツ”として大好評。1日およそ500個は売れているんだとか。『めざましテレビ』(フジテレビ系)といった地上波の情報番組でも紹介されたので、しばらくは入手困難になるかもしれませんね。ちなみにイートインは650円(税込・以下同)、テイクアウトは特製パイ生地付きで750円です」(同)

*動画は『スタジオカフェMARU』の公式インスタグラム『@studiocafe.maru』より

 だが、同店が熱いのはそれだけではない。いろんな韓国トレンドを丸ごと体験できる場所になっているという。

「『スタジオカフェMARU』は、“セルフ写真館”を併設したカフェとして21年9月にオープン。セルフ写真館のコンセプトは、プライベート空間で“盛らない”写真を撮影すること。このコンセプトが韓国の若者に受け入れられ、日本でも流行中です。15分1500円で、学生証を提示すると1000円となるリーズナブルな価格設定に加え、カチューシャやサングラスなどの撮影グッズは無料で貸りられるのが人気の要因です」(同)

 そんな日本における韓国トレンドのホットスポットと化している同店は“映えスイーツ”にセルフ写真館と、韓国トレンドの真骨頂SNS映えを集結させたようなカフェだという。そんなカフェの定番メニューのひとつである『トシラクケーキ』(1650円)も太田氏によれば「注目したい一品」とのこと。