■微妙なさじ加減を間違えた?

「『マルス』は若い視聴者を取り込もうと、分かりやすさを意識しすぎました。テーマは“高校生が社会を変える”という大雑把なイメージだし、事件のトリックはありきたりで都合が良すぎ。マルスの各キャラ演技も、まるで判で押したようにパターン化しています。それが薄さにつながり、視聴者が離れたのでしょう。

 一方、『婚活~』は30代女性に狙いを定め、婚活のリアリティを意識しすぎました。主人公は美人すぎない等身大のアラサー女性で、リアルさで共感を呼びましたが、そこで描かれるエピソードがリアルすぎて、素直に楽しめないところがあります。ひと言でいうと“笑えない”のが視聴者離れにつながったのでは?」(ドラマライター/ヤマカワ)

 視聴者を強く意識することが、不調につながったのは皮肉なことだ。しかし、作品の方向性は間違っておらず、どちらも微妙なさじ加減の問題で、ヒット作になった可能性は高い。ドラマ作りの難しいところだ。

 2作とも物語は終盤戦に入っていく。道枝にとっては、人生で初めて髪を金髪に染め上げ、イメージチェンジに挑戦。福田にとっても、コントから本格的なドラマに挑戦と、どちらの主演者にも力の入った作品だけに、今後の巻き返しに期待したい。