1992年から97年まで漫画家の武内直子さんが少女漫画雑誌『なかよし』(講談社)で連載し、同時期にテレビ朝日系でアニメが放送され、社会現象をも巻き起こした『美少女戦士セーラームーン』。アニメの放送期間に発売された関連グッズの総売上は5000億円にものぼるというが、その人気は現在も色あせることはない。
ここ10年の間にも『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2021年)『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal』(21年)『劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos』(23年)といった新規アニメ作品が続々製作。18年からは不定期で、乃木坂46によるミュージカルも開催されるなど、アニメ業界で不動の地位を築いている。
21年12月には連載開始から30周年を迎え、ますます注目を集める同作品だが、この春、全国で初めて『セーラームーン』がデザインされたマンホールが東京都港区に設置されるという。1月30日にこのニュースが発表されると、
《ぎゃああああ!羨ましい!!!》
《えっ、マンホールにセーラームーン! 見てみたいじゃん》
といった声がX(旧ツイッター)上にはあふれ、SNSを中心に大きな反響を呼んでいる。そもそもこの試みはどのように生まれたのだろうか。
マンホール設置の舞台となった東京都港区の観光政策担当課長に話を聞いた。
「全国的にアニメや漫画、ご当地キャラクターなどをデザインしたマンホール蓋が注目を集めており、観光振興の一環として東京都でも19年度から設置等への支援が始まりました。そこで港区でもデザインマンホールを設置しようという話になったとき、『セーラームーン』はどうかというアイデアが内部から出たんです。
実際、作中では麻布十番周辺や芝公園付近など港区ゆかりの地が登場。関連が深い作品であるということが確認できます。そこで、版権元であるプリンセス・ナオコ・プランニングさまに提案させていただき、マンホール化が実現しました」
『セーラームーン』のデザインマンホールは全部で5種類あり、24年3月中に区内5か所への設置が完了予定だ。