■「あそこに正義なんてなかった……」が戦隊ファンに衝撃を与えた理由

【以下、『相棒 season22』第17・18話のネタバレを含みます】

『相棒』で横山が演じたのは、犯人が爆弾テロを起こすキッカケになった地域課巡査・金森翔吾(井上拓哉/28)の元同僚である柿沼勇作。

 1年前、柿沼は、孤児院出身の金森が警察の独身寮の先輩・牧野文雄(山形匠/27)に酷いパワハラを受け、それを直談判した署長・山田正義(金井浩人/31)にも施設育ちを馬鹿にされて絶望し、自死してしまう様子を目撃していた。そして、署長が金森の死後にパワハラを隠蔽したことで、柿沼は警察官を退職。

 一連の出来事を刑事たちに説明した後に、

「僕も絶望しました。あそこに正義なんてなかった……」

 と、無精ひげを生やしてやつれた姿でつぶやく――というシーンが描かれた。

※画像は『相棒』の公式X『@AibouNow』より

 警察の闇に失望して退職する横山演じる柿沼――そんな展開に、『パトレンジャー』で市民のために正義感あふれる姿で戦い抜いたパトレン2号・陽川を連想する視聴者は非常に多く、

《警察に正義がなくて絶望した役にをパトレン2号にやらせるんじゃないよ!》
《警察に絶望した人物にパトレン2号だった横山涼くんを持ってくる相棒、人の心がない》
《警察に正義がなく絶望した 元パトレンジャー2号 陽川咲也くんのキャスティングでセリフはまあまあな衝撃、、、》
《パトレン2号が心の折れた警察役ほんと皮肉すぎる……》

 といった声が、Xに非常に多く寄せられたのである。

『相棒』は3月6日には最終章スペシャル前篇が放送予定。出番は少ないながらseason22の最後の「通常回」に花を添えた横山は、放送後にXを更新し、

《まさかのパトレン2号がトレンド入りしててびっくりです これからも皆さんに楽しんでいただけるよう頑張ります》

 と、お礼の言葉を綴っている。

 横山が『相棒』に起用されたのは今回が初ではない。Season20(2021年10月クール)の第12話でも被害者役で出演しており、やはり『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の面影がない役だったことで当時話題になっていた。

 もはや横山と『ルパパト』は切っても切れないものとなったと言えそうだ。次に話題になる役は、代名詞であるパトレン2号とどうシンクロしていくのか――。今後も、ドラマに欠かせない名バイプレイヤーとしての活躍に期待したい。

(文/特撮ライター・トシ)