■音楽番組は「若者向け」と「歌もの番組」に二分化

ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『CDTV』は新進気鋭のアーティストを積極的にキャスティングし、完全に若者世代に振り切った番組作りをしている。

 一方で前述の『ミュージックジェネレーション』やダウンタウン・浜田雅功(60)MCの『ハマダ歌謡祭・オオカミ少年』(TBS系)は、時代を代表する往年のヒット曲のVTRを出演者が見たり、カラオケでカバーするという構成だ。

※画像は『ハマダ歌謡祭・オオカミ少年』の公式X(ツイッター)『@ookami_tbs』より

「音楽番組は若者向けと、昭和・平成・令和を比較したり、有名曲をカラオケを楽しむバラエティに特化した“歌もの番組”に二分化しているんです。しかし、『with MUSIC』はそのどちらでもない。もしかしたら、60年間続く老舗音楽番組『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)のような番組になるのではないかとも言われています。

 コア層を狙っていくのが現在の番組作りの定石になっていますが、そうじゃないことをやろうとしていると。その方針でいくとなったのは、MCの有働さんの意向もあったのかもしれませんね」(前出の制作会社ディレクター)

 フジテレビの土曜20時枠では、チョコレートプラネット霜降り明星ハナコという若者世代から支持を集める人気芸人が出演する『新しいカギ』や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』が放送される。

「『新しいカギ』はスタート時は低迷していましたが、『学校かくれんぼ』が大人気企画へと成長を遂げて今やフジテレビを代表するバラエティ番組になりました。『ドッキリGP』も相変わらず子どもを中心に人気ですよね。

 一方で『with MUSIC』は大人世代を狙いにきている。土曜日の夜8時、家族でテレビを見る視聴者が多そうで、裏ではフジテレビの勢いのあるバラエティ番組が放送されている中で、大人な音楽番組『with MUSIC』はチャンネルを合わせてもらえるのか、と。さらに、各局であまりにも音楽番組が増殖しすぎている状況もあって、日テレ内でも“『with MUSIC』はコケてしまうのではないか”と懸念、心配する声が上がっているんです」(前同)

 不安視する声が多く上がっているという日テレが気合いを入れる新音楽番組『with MUSIC』。有働と松下は、暗雲を吹き飛ばせるだろうか。