■『ふてほど』最終回のヒント

「終盤でどのような悲劇が描かれるのかと思っていましたが、今回の展開を見ると、意外とこのままドタバタが繰り広げられ続け、市郎(阿部)と純子(河合)は最後の日を迎えるかもしれません。ということは、劇中の市郎のエモケン(池田)に対する《最終回》に関する一連の発言も、クドカンの“特別なことはしない”という意思表明なのかも」(ドラマライター/ヤマカワ)

 さらに今作が、このまま続いていくことのヒントもある。番組プロデューサーが『スポーツニッポン』のインタビューで、クドカンは映画『ドント・ルック・アップ』に触発された部分もあったのかもしれないと発言しているのだ。同映画は、天文学者が彗星衝突の危機を世界中に伝えようと奔走するも、誰一人として警告に耳を貸そうとしないというブラックコメディだ。

「映画のラストでは、結局、彗星が衝突。人類滅亡を悟った天文学者は、家族と最後の時を粛々と過ごそうとします。『ふてほど』の最後も、ニュアンスは違うでしょうが、淡々と最後の日を迎えてエンド……なのではないでしょうか。悲劇よりも、その日を迎えるまでのドタバタした日常こそが、本当に描きたいことなのかもしれません」(前出のヤマカワ)

 X上では、サカエ(吉田)が昭和に残るのではないかなど、さまざまな考察が出ているが、それらをよそにあっさりしたラストになるかもしれない。クドカンが描く終盤の展開に注目だ。