4月クールに放送される木村拓哉(51)主演の連続ドラマ『Believe―君にかける橋―』。テレビ朝日開局65周年記念作で、大手ゼネコン「帝和建設」を舞台にした作品だというが、思わぬ形で注目を集めている。

※画像は『Believe』の公式X(旧ツイッター)『@believe_tvasahi』より

「当初、木村さんが演じる主人公は、“橋づくりに情熱を燃やす建築士”と発表されていました。しかし、一般的に橋づくりに携わるのは土木の専門家である“技術士”ではないか、とSNSを中心にツッコミの声が殺到。

 それを受けてか、公式サイトでの設定が3月10日までに“建築士”から“設計者”にしれっと変更されていたんです」(ワイドショー関係者)

 現在、公式サイトではこう綴られている。

《本作で木村が演じるのは、大手ゼネコンに所属する設計者・狩山陸。これまでさまざまな職業を演じてきた木村が、橋づくりに情熱を燃やす設計者という、自身の新境地となる役柄に命を吹き込みます》

「設計者」の部分が、当初は「建築士」だったのだ。このこっそりとした変更はネットニュースでも取り上げられて、大きな話題になった。

「建築士が橋を作る」という設定は具体的にどうマズかったのか――。弊サイトは元建設コンサルタントで橋梁設計に従事していた、千葉工業大学の八馬智教授に話を聞いた。

 八馬氏は、「まず、『橋』という土木構造物がドラマの題材として取り上げられることについて、とてもうれしく思っています」とを前置きしたうえで、こう教えてくれた。

「『建築士』(正確には『一級建築士』)とは、『建築』の設計を行うための資格です。ところが橋は『建築』の領域ではなく、『土木』の領域です。このため、土木構造物である橋は、主に土木工学を専門とする技術者が設計を手がけています。

  一級建築士を取得している橋梁技術者もいらっしゃるとは思いますが、橋梁設計の場面で一級建築士という資格が求められることはないでしょう。

  なお、橋の設計時に求められる主な資格は『技術士(建設部門:鋼構造およびコンクリート)』です」