■タイトルが最終回をあらわしている?

 日下の言葉の「あなた」はおそらく太陽のことだろう。雨が聴覚を失うまでのタイムリミットは1週間だが、ただ聴覚を失って終わりではなく、何かが起こりそうだーー。

「最終回では、太陽が雨と五感を分け合うことになると思います。そもそも、本作のタイトルは『君が心をくれたから』。雨が主人公なので、太陽が心をくれたということになります。当初は太陽が雨に、“生きる意味を与えてくれた”=“心をくれた”と思われていましたが、それだけではなかったのでは、と。

 本作では心とは五感のことを示しています。これは第1話で日下が、《君が心を差し出すならば、今から奇跡を起こしてあげよう》と、雨に言ったことから明らか。その後、味覚や嗅覚が心と結びついていることも描かれており、タイトルを最後に回収するならば、太陽が最後に心、つまり五感を与えるラストになるはずです」(ドラマライター/ヤマカワ)

 そもそも、お互いに“与え合う”、“分け合う”というのは、本作の根底に流れているテーマだ。それが貫かれるなら、最後は幸せな結末を迎えるだろう。見ている人みんなが望んでいる、ハッピーエンドを期待したい。