■ひたむきさが前面に出る岩本照

 これまでの道枝は、年下ワンコ系のキャラが定番だったため、本作で演じたキャラはチャレンジングだった。ただ、話が荒唐無稽だったため、アクションは良かったものの、細かな演技表現はあまり見られず、俳優としての評価はしにくい。世帯視聴率が3%台の爆死に終わったのも不幸だったが、俳優としてのポテンシャルはあるので、次作に期待したい。

 SnowMan岩本照(30)は『恋する警護24時』(テレビ朝日系)に、ストイックなボディガード・北沢辰之助役で主演。父親殺しの犯人を追いながら、弁護士・岸村里夏(白石麻衣/31)を24時間警護するという役柄で、ファンの間では、ツンから一転して見せるクシャッとした笑顔が好評だった。

 正直、演技はいまひとつ。だが、華麗なアクションシーンに加え、鍛えあげた肉体美を惜しみなく披露するなど、深夜枠ドラマの主演としては十分な仕事をしていた。なにより『SASUKE』(TBS系)で見せていたような、ひたむきさが前に出ていて、ファン以外の支持も得ることができた。このキャラが活かせる刑事モノへの出演がかなえば、化ける可能性は高い。

 まだ、代表作と言えるような出演ドラマがない3人だが、それぞれに個性があり、伸びしろは大いに感じられる。永瀬が春ドラマに主演するほか、道枝は5月公開予定の日本・台湾の合作映画『青春18×2 君へと続く道』に出演。岩本は未定だが、夏以降に期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)