■現役客室乗務員が制服姿でお・も・て・な・し

 年間で20種類ほどが販売される日本航空のオリジナル開発商品。これらが販売されるのはインターネット上にある自社ECサイト上や空港内の店舗がメインだ。そのため、消費者が商品を手にしたり、知る機会があまりに少ないというのが社内の課題だったという。

「やはり、お客様に自社で開発している商品を買ってもらうためには、実店舗を持ちたい、消費者とのつながりを増やしたいという思いがありました。そこで期間限定ではありますが、金の企画を採用して、街中でカフェをオープンすることにしたのです」(前出の猿渡さん)

 取材に訪れた日も、空港スタッフや客室乗務員が接客を手掛ける店内は、男性客を中心に大盛り上がり。客室乗務員が制服を着用して、カフェで披露する“おもてなし”の姿は見た目にも新しく、場の雰囲気も華やかだ。

店内では現役客室乗務員が制服を着用して接客する 撮影/編集部

 企画を手がけた金さんが『JAL Cafe』の今後の展望を語る。

「ゆくゆくは、カフェ文化が有名なオーストラリアのメルボルンやスターバックス発祥の地でもあるアメリカのシアトルでもお店を展開して勝負したいですね。メニューで一番自信があるのは、機内でも提供しているコーヒーです」

 店内にあるメニュー表を見てみると、販売されているホットコーヒーは、エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスの3種類。最上位となるファーストクラスは1杯1100円(税込)と強気の価格設定だが、飲むと渋みと酸味が口の中で広がる。

 地上にいながら機上の雰囲気も味わえる、こちらのカフェ。日本を飛び出して、世界へと羽ばたいていけるか。