■朝ドラには内容が堅苦しい?
ただ、法曹というかための世界が舞台というのが気になるところ。女性の社会進出ものは、言い換えれば「お仕事ドラマ」。実務の話など地味な面が出てくるので、16年前期の高畑充希(32)主演『とと姉ちゃん』のマスコミ、17年後期の葵わかな(25)主演『わろてんか』の芸能界と、華やかな要素も入れてバランスを取ることが多い。
さらに、NHK東京制作なので、芸人が多く登場するNHK大阪制作よりも、ドタバタやコミカルなシーンが少なそうなのも不安だ。しかし、シリアスからコメディまで、硬軟幅広く演じられる伊藤がヒロインなので、堅くなりがちなムードを和らげてくれそうだ。これは、絶妙のキャスティングだと思われる。
そんな伊藤を後押しするのが、ヒロインの家に下宿する書生役の仲野太賀だろう。人間くさい演技をさせればピカイチで、最近では23年放送の月9ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)で、多部未華子(35)らを相手に好演。シリアスな場面でも、クスッと笑わせる演技を披露していた。
仲野は役柄上、早い段階から出演しそうだ。伊藤と仲野のかけ合いで作り出す、硬いテーマに似合わぬ和やかな雰囲気があれば、スタートダッシュも期待できる。(ドラマライター/ヤマカワ)