■1位作品にあった攻めたSNS戦略

 河合の演技を宮藤氏は3月30日放送の『伊集院光佐久間宣行の勝手にテレ東批評』(テレビ東京系)で「もう褒める時間、いくらあっても足りないぐらい褒めたい」と絶賛。

 同ドラマの磯山晶プロデューサーも「私たちとしては、“抜てきした”というよりも、むしろ“こんな遅くにオファーしちゃってすみません”という気持ちです」と、スポーツ紙の取材で話していた。

「『ふてほど』は、平日金曜の夜という家にまだ帰っていない視聴者も多い枠の作品でしたが、それでも最終回は3.8%と高視聴率だった。土日だったら、もっと数字が良かったのではないでしょうか」

 そんな『ふてほど』を超えた、最終回のコア視聴率1位のドラマは――。

■第1位『新空港占拠』(日本テレビ系/土曜夜10時~)

 主演:櫻井翔(42)、最終回(3月16日放送)のコア視聴率…4.1%

 櫻井主演の『新空港占拠』は、23年1月クールに放送されヒットした『大病院占拠』の続編。“人気でシリーズ化した作品”というところで放送前から強いアドバンテージがあった本作が、1月クールの最終回コア視聴率1位のドラマとなった。

「『大病院占拠』はツッコミどころの多い雑なCGなど当初“ネタドラマ”として注目されるも、見てみるとシナリオが良くできていて、ドキドキハラハラの展開で多くの視聴者を虜にした作品でした。

 第2弾の『新空港占拠』は演出面のツッコミどころは減りましたが、敵組織がわざわざ“走るのを止めると感電死するルームランナー”など、異常に手の込んだ拷問マシーンを作っていた件などには、視聴者から《ギャグに思えてきた》といった声がありましたね」

 また、櫻井演じる武蔵三郎刑事は「嘘だろ」が口癖だが、『新空港占拠』では前作に比べて明らかに「うっそだろぉ……」のように“濃い演技”になっていたため、

《妻が捕まっているのを見るシーンで、このギャグみたいな嘘だろはおかしいだろw》
《そこら辺の芸人の一発ギャグより面白い「嘘だろ」》

 と、一部視聴者に、もはや一発芸のようなノリで受け入れられている。

※画像は『新空港占拠』の公式TikTok『@shinkukosenkyo_ntv』より

「『新空港占拠』は前作がSNSでバズった経緯を踏まえてか、公式YouTubeやTikTokが、“違法アップロードにしか見えないダイジェスト”など面白ムービーを多数投稿する戦略も行なっていました。公式を含めてSNSがバズって結果、ドラマが注目を集めるというのも、作品が流行る黄金のパターンですよね」

 主演俳優の高い演技力、脚本の圧倒的な面白さ、新スターの誕生、SNSをバズらせる戦略――1月期ドラマの最終回コア視聴率TOP3の作品には、普遍的と言えそうなヒットの法則が詰まっていた。もうすぐ始まる4月クールの連続ドラマでは、どの作品が多くの視聴者を集めるのだろうか――。