■ジャニー氏加害問題では沈黙……「キャスター失格」の指摘も

 櫻井は慶應幼稚舎から慶應大学経済学部を卒業。父親は総務省の総務事務次官、大手広告代理店の代表取締役副社長などを歴任した超エリートでもある。

「2006年の『NEWS ZERO』時代から櫻井さんはキャスターという仕事に真面目に取り組んできましたし、有働由美子さん(55)が卒業し、藤井貴彦さん(52)が新MCに就任した4月以降も続投。日テレも彼を信頼していることがうかがえます。ただ、ジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題が勃発した際には、厳しい批判が寄せられてしまいました」(前出の制作会社関係者)

 ジャニー氏の加害問題を受け、2023年5月14日に藤島ジュリー景子元社長(57)が動画で謝罪し、文書で見解を発表。翌日の5月15日放送の『news zero』でも同問題を取り上げたものの、話題に入る前に櫻井が画面から姿を消し、有働だけで進行。

 VTRを流したあと、有働が「この件については、番組で話し合って私が話します」「まずは性被害については、被害者のケアを最優先にしてほしい。そして、エンタメを通じてたくさんの夢を見せてきてくれたジャニーズだからこそ、ファンや私たちが迷いなく夢を見続けられるようにしてほしい」などとコメントした。

 その後、櫻井は3週にわたって同問題にコメントすることがなかったため、《ジャニーズの問題、櫻井さん話せないならキャスター降りるべき》と批判が殺到してしまった。

※画像は『news zero』の公式X(ツイッター)『@ntvnewszero』より

「櫻井さんは“当事者”であり、何も語れない状況であったとも言えそうですが、彼の姿勢には、日テレの報道からもかなり厳しい声が出ていましたね。報道のキャスターはどんなときでもコメントをすべきで、コメントできない事務所に所属しているキャスターは報道番組では使うべきではない、といった論調でしたね。

 そんな櫻井さん、青井さん、井上アナと慶應幼稚舎出身のキャスターが今、テレビ番組で存在感を増しつつあるというわけです」(前同)

■慶應幼稚舎出身キャスターは夕方ニュースにはミスマッチか

“日本一の小学校”とも称される慶應幼稚舎。初年度の学費は160万円。寄付金や塾債(学校債)を含めると6年間で1000万円ほどもかかることになるという。

 民放キー局関係者関係者が話す。

「それでも、入学すれば日本トップの私立大学・慶應大学までエスカレーターで進学できる。卒業生は政治家、官僚、日本トップクラスの企業の経営者や役員、医者、弁護士などエリートぞろい。ですから、慶應幼稚舎出身者だけの特別で強固な人脈を築くことができるんです。

 慶應には、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学とあり、途中から受験で入った人と幼稚舎出身者は、外からは最終的には同じ“慶應卒”に見えますが、まったく違うんです。別人種と言ってもいいぐらい、と言われますね。それくらい、幼稚舎出身者は超のつくエリート。

 それだけに、幼稚舎出身者が夕方のニュース番組のキャスターをやるというのは“ミスマッチなのではないか”という指摘もテレビ界ではあるんです」

 夕方のニュース番組の視聴者は主婦層がメイン。番組ではニュースのほか、企画ものでお得情報、たとえば野菜詰め放題のスーパーやワンコインランチの人気店を紹介するなど、庶民目線の番組作りを目指していることがうかがえる。

「特に、青井さんの『イット!』MC就任をきっかけに“ミスマッチではないか”という指摘が出るようになった感じですが、セレブで超エリートな道を歩んできたであろう人が、庶民目線の番組に適しているのか、視聴者層の気持ちに寄り添った番組作りができるのか、ということが疑問視され始めています。

 もちろん、慶應幼稚舎がエリート、セレブといってもそれぞれ差はあり、経済的にも、自分で自由に使えるお金はなかった人、慎ましく育てられた人もいるでしょう。しかし、親族の会社から役員報酬が出ていた青井さんのような、庶民とはあまりにもかけ離れた話が出てきてしまうと、やはり“住む世界が違うのかな”となってしまいますよね。視聴者の側は“この人は私たちの生活を理解できるのか”という気にもなってしまうかもしれません。

 慶應幼稚舎出身者は、国や大企業でも極めて重要なポジションにつき、国家、日本経済を動かすレベルの決定を行なっていると言われますが、庶民が視聴者層のキャスターという職業に適しているかと言わられたらどうなのか、という意見がテレビ界で出てきています」(前同)

 各方面で活躍するエリートを輩出している慶應幼稚舎だが、キャスター界での評判は100%ポジティブなものばかりではないようだ。