■花咲舞にピッタリだった杏

「杏さんの実年齢と20代後半の“花咲舞”とが合わなくなったこと、そして、彼女が今、フランスで生活していることから、令和版の主演をするのは現実的ではない、ということだったのではないでしょうか。

 今田さんは予告映像で見せた力強い眼差しや“お言葉を返すようですが!”の言い方など、前評判は悪くないですが、キリッとして強いイメージのある杏さんとは逆に、童顔で可愛い系のルックスのため“役に合わないんじゃないか”という意見もありますよね。杏さんの花咲舞はまさにハマり役だった。だからこそ、今田さんはプレッシャーを感じているのでしょうね」(前出の制作会社関係者)

 一方の篠原が主演する『イップス』は、過度なプレッシャーで実力が発揮できない「イップス」に陥ってしまったミステリー作家の黒羽ミコ(篠原)とエリート刑事の森野徹(バカリズム)がバディを組んで事件に挑むオリジナル作品。

 脚本はバナナマンと親交が深く“第3のバナナマン”とも言われるなど、芸人界、バラエティ界では絶大な信頼を置かれている作家・オークラ氏と、元お笑い芸人の森ハヤシ氏が務める。

※画像は『イップス』の公式X『@yips_fujitv』より

「言わずと知れた実力派俳優の篠原さんと、お笑い以外でも多彩な才能を爆発させているバカリズムさん。2人が会話術だけで犯人を追い詰めるという、非常に面白そうな設定のドラマですよね。

 バカリズムさんは昨年1月クールに脚本を担当した安藤サクラさん(38)主演の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が国内外で高く評価されるなど絶好調で、常に“面白いものを作ってくれそう”という期待感を抱かせる特別な存在。オークラさんはバカリズムさんとも旧知の仲ですから、良さを引き出してくれるはずです」(前同)

『イップス』はオリジナル作品だが、最初に視聴者に犯人を明かし、その犯人が徐々に追い詰められていく流れを描く、“倒叙式”と呼ばれるジャンルの作品である。

「フジテレビのミステリードラマで倒叙式といえば田村正和さん(享年78)主演の『古畑任三郎』シリーズ(1994年4月期、96年1月期、99年4月期)があまりにも有名ですよね。毎回超豪華なゲスト俳優が犯人役として出演し大ヒットした、三谷幸喜氏(62)脚本の名作です。『イップス』公式の告知文も、『古畑』への強いリスペクトを感じさせます」(同)