■船内恋愛禁止のワケを社長が激白

 しかし、力仕事がメインとなる船上は男社会。男性ばかりの職場に女性が入ってくるとあって「さまざまな問題が生まれるのでは」と危惧する声も船員からはあがったという。

「そこで、社内ルールを決める必要が出てきました。当社では船員さんは3か月ほど船へと乗り、1か月休むというルーティンで働いていただいています。当然、結婚をして家庭を持っている船員さんは乗船期間中、子どもや奥さんに会えない。皆がつらい思いをして頑張っているのに、船内恋愛をしている2人だけが毎日会えるのはいかがなものか、となり、このようなルールが設けられました」(前出の笹木社長)

 また、船乗りさんにとって乗船期間中の船内は、プライベート空間であるのと同時に職場でもある。公私の線引きをしっかりして欲しいとの思いもルールを定めた背景にはあるという。

「このルールには女性船員をセクハラから守るため、という意識もあります。狭い船内である以上、秩序は守らないといけません。恋人関係が発覚した際には、2人とも強制下船となります」(前同)

 今まで強制下船となった従業員はいるのだろうか。

「いますよ。2〜3年に1組ほどいます。船長から私に連絡が入り、“申し訳ないですが、ルールなので”と話がされて、恋人関係になった2人が下船したことを知ることがほとんどです。中には、船が出港してから2人が恋愛関係へと発展してしまい、その旨の申告を船員から直接受けることもあります。この場合も2人は強制下船となります」(同)

※画像は「東幸海運」の公式X『@tokokaiun』より