2019年6月に発覚し、芸能界を揺るがした「闇営業」騒動。雨上がり決死隊宮迫博之ロンドンブーツ1号2号田村亮ら多くの芸人の名前が挙がり、大きな問題へと発展した。芸能界内外に膨大な人脈を誇っていた“友達5000人芸人”カラテカ入江慎也は、この渦の中心にいたことで事務所との契約を解除され、芸能界を離れることになった。騒動から3年10か月が経ち、現在は清掃会社の経営者となった入江がいま語る「人間の真実の姿」とはーー。
【第2回/全4回】

 「僕はお金に囚われてしまった」と話してくれた入江さんだが、「お金」をめぐっては闇営業騒動より前に、カラテカの相方・矢部太郎さん(45)とのすれ違いもあったようだ。

――「お金に囚われてしまった」という点で、どんどん表に出る人が入れ替わっていく芸能界で活動するにあたって「焦り」があったのでしょうか。

 はい、ありました。芸能界で活動していると、売れる嬉しさもありつつ「これがどこまで続くんだろう?」って思う。

 芸能の仕事はサラリーマンのように安定しているわけじゃなくて、究極の水商売だと思う。来年自分が芸能界にいるかどうかも分からないので、そこが怖い。そうすると「目先のお金も必要だな」って思ってしまった。

 だから、僕が焦って「カラテカこのままだとやばいだろ!」って矢部に言っても「いまそんな喧嘩する時間があったら、ネタ作ろうよ」みたいな感じでぶつかりました。

――ひとりでの仕事、いわゆるピンの仕事が多くなっていった分岐点は?

 やっぱり『電波少年』(日本テレビ系)じゃないですかね? だから26歳ぐらいからかな。『電波少年』って本当にめちゃくちゃだったんで、今じゃ絶対できない番組だなと思いますよ。

 当時はSNSとかも無かったんで、僕のところまで一切視聴者の声も届かなかった。それが逆に良かったかな? あとは若手だったから、とにかくガムシャラだったんです。「チャンスを逃しちゃまずい」っていう感じでした。